連続価格高騰事件
始まりは今から2年ほど前になります。
お兄さん、このエビの値段間違ってるんでね?納品書を見て聞くさっちゃんに、
いやぁ~、値上がりしてるんだすよ。仲卸の魚屋のお兄さん困ったような顔で答えます。
お兄さん曰く、養殖物も天然物も大量に病気になって死んでしまって、品薄なんだすよ。
早期死亡症候群EMSで、赤ちゃんエビが大量に死んでしまい、中でも食品偽装で有名になったバナメイエビの被害が深刻で、品不足のため、ブラックタイガーも高値になってるとの事。
輸入品だと為替の影響もあるだろうし…早く元に戻ってくれるといいんだけど。
あれから2年、値段、全然戻ってない。
その後、ホタテの価格が2倍に、どういう事?青森産でしょ?
ホタテは、冬場の水揚げが極端に少なく、品薄で海外産も、世界的な需要増加でとの事。そういえば、スーパーのお刺身のホタテ随分高かったな。
えっ、牡蠣も2倍ですか?
いやぁ~獲れないんですよ、30年に一度の不作で、だからすみません。
夏場の天候不良で、稚貝がダメになったそうなんですよ。
冬の間、期間限定で出してる牡蠣バジルの値段どうしようか悩むところです。
とどめは、スルメイカ、突然3倍に
納品書をソーッと置くお兄さん。あなたのせいで無いから、仕方ないよね。
スルメイカは、秋に山陰沖などで孵化して、日本海を回遊する群と、冬に東シナ海で孵化し太平洋を北上して、日本海に回る群があり、太平洋のスルメイカが北上中に死んでしまったとみられています。
原因は、スルメイカが獲れないで、イワシが豊漁なので、海水温の低下が有力らしいです。
青森の大間のマグロも餌のスルメイカが減って、数が減少してるようです。
マグロも値上がりするという、負の連鎖ですね。
スルメイカの不漁は長期化のおそれがあり、スルメイカはこのまま高級魚になってしまうのでしょうか?卸市場にも例年の1割しか入荷が無いというお兄さん。
スルメイカの加工品も深刻で、もんじゃ焼き用の切りいかも大幅に価格上昇です。函館の加工工場が閉鎖になるようですし、心配は尽きないです。
もうすぐ、回転寿司で金皿に載った、イカやホタテのお寿司を見ることになるかもしれません。
お好み焼きのシーフードミックスやイカの塩辛、アタリメも一気に高級品です。
長いことデフレ経済が続き、変動相場にもかかわらず、魚介類もずっと値上がりすることなく15~16年もの間、大きな変動がありませんでした。この月日を一気に埋める勢いで価格の高騰は続きます。
野菜は天候や季節で若干の動きがありますが、高くなっても、また下がります。
魚介類も出来たら、また値段が戻ってくれるといいのですが。
海の中の事は想像がつきません。昔、にしん漁で栄えた北海道、立派なニシン御殿も今は昔です。秋田でも男鹿で沢山獲れたハタハタなど、漁獲量を調整してやっと戻ってきた感がありますが、昔、箱買いが当たり前で猫マタギと言われたハタハタも、今はかなりの高級魚です。猫にもやりません。
地球の地上でも海の中でも、人の力ではなんともならい事があります。
恩恵も沢山頂いてる事ですし、地球に優しくしないと怒ってしまうのでしょうか?
今日のおつまみ
厚揚げと豚肉の煮物
豚肉と玉ねぎを煮ます
厚揚げと小口南蛮、醤油、みりんで味付け
仕上げにごま油、ねぎを少々